その場の空気ごと、愛おしい時間を閉じ込める 動画クリエイター 秋元裕紀子

柔らかな光が差し込む部屋で、終始にこやかに、かつ言葉を丁寧に選びながら紡ぐ姿が印象的な動画クリエイター、秋元裕紀子さん。彼女の周りには、せわしない日常をふっと緩めてくれるような、穏やかで心地よい空気が流れています。

現在、動画クリエイターとして活動する傍ら、「潜在意識セッション」という新たなアプローチで人の心に寄り添う活動も始めている秋元さん。一見、全く異なるジャンルに見える2つの活動ですが、そこには彼女が幼少期から持ち続けている、ある「一貫した想い」がありました。

今回は、秋元さんが映像に込めるこだわりのグラデーションや、新しく踏み出した一歩について、じっくりとお話を伺いました。

目次

幼い頃の「すれ違いざまの実験」が、すべての原点

Q動画制作と潜在意識セッションの原点を教えてください

秋元さん:私にとって、動画もセッションも手段でしかないんです。目指しているのは、ただ一つ。“目の前の人の笑顔をつくること”。そこだけは、ずっと昔から変わりません。

そう言って悪戯っぽく笑う秋元さんの原体験は、なんと幼少期にまで遡ります。

秋元さん:小さな頃、道ですれ違う人に自分から笑いかけてみて、何人が笑い返してくれるかっていう『実験』を一人で楽しんでいたんです(笑)。返ってくると、すごく嬉しくて。自然とそこに行き着いたというか、ずっと『人が笑顔になる瞬間』を見るのが好きだったんですよね。

形を変え、大人になった今も、彼女の真ん中にある軸はブレていません。彼女がカメラを向ける先、そして言葉を交わす先には、いつも「笑顔にしたい」という純粋な願いが灯っています。

写真が“一瞬”なら、動画は“温度や空気”ごと残せるもの

秋元さんが動画というメディアに惹かれ、大切にしている理由は何ですか?

秋元さん:写真は、その一瞬の最高に美しい姿を切り取る良さがありますよね。でも動画は、その時の温度や空気、流れていた時間ごと丸ごと残せるんです。

秋元さん:子どものちょっとした声や笑い声、イベントが始まる前のざわざわした高揚感…。写真では溢れ落ちてしまう『体験』を、30秒や1分の中にぎゅっと閉じ込められる。見返したときに、もう一度その空間にタイムスリップできるのが、動画の価値だと思うんです

「だから、写真と動画は対立するものではなくて、お互いを補い合う存在」と秋元さんは言います。両方があることで、大切な思い出は、より立体的で愛おしいものとして心に残り続けるのです。

「なんとなく、いい感じに」に隠された、その人らしさを手繰り寄せる

Q.依頼者の言語化できない想いをどのようにカタチにされているのでしょうか?

動画クリエイターとしての秋元さんの強みは、その圧倒的な「聴く力」にあります。丁寧なヒアリングと徹底的なリサーチを行い、依頼者と並走しながら方向性を固めていくのが彼女のスタイル。最近では、そのお人柄への信頼から「裕紀子さんにお任せしたい」というオーダーも増えているそうです。

秋元さん:『なんとなく、いい感じに』という、言葉にしづらいご要望をいただくことも多いんです。でも、その『なんとなく』の中にこそ、その方らしさや、本当に大切にしたい想いが隠れている。そこを丁寧に汲み取って、映像というカタチに落とし込むプロセスがすごく好きですね。

感覚的な優しさだけでなく、技術へのこだわりもプロフェッショナルそのもの。 シーンの切り替え(トランジション)一つとっても、

  • 躍動感を活かしてパッと切り替える演出
  • 場所や視点を滑らかに変え、ストーリーを感じさせる演出
  • 全体の心地よい流れを損なわない構成

など、複数のパターンを手の馴染む道具のように使い分けます。

「『このシーン、この感情なら、この繋ぎ方が一番響く』という感覚が、経験を重ねるごとに少しずつ身についてきました」と語る瞳には、職人としての確かな自信が覗いていました。

怒ってしまう自分を責めなくていい。潜在意識から心を軽くするアプローチ

Q. 「潜在意識セッション」では、具体的にどのようなアプローチで、受ける方の心を解きほぐしていくのでしょうか?

現在、秋元さんが新たな挑戦として情熱を注いるのが「潜在意識セッション」です。大船エリアのカフェでのイベント出店をはじめ、リアルな場での活動も本格化させています。このセッションでは、自分でも気づいていない感情のクセや思考の背景を紐解き、「なぜ自分はこういう行動をとってしまうのか」の理由を一緒に見つけていきます。

秋元さん:例えば、つい子どもや周りの人に怒ってしまうとき。本当は、怒りたくて怒っている人なんていないんですよね。その『怒りの裏側にある本当の理由』に気づけると、『あぁ、だから私、怒っちゃってたんだな』って、自分を責めなくてよくなるんです。

リアルイベントでは、まずは気軽に体感してもらえるよう、通常よりも短時間の体験型セッションとして実施することもあるとのこと。

「少しでも心が軽くなって、また笑顔になれるきっかけをお届けできたら」と語る彼女のセッションは、きっと多くの人の張り詰めた心を、優しく解きほぐしていくはずです。

つくり手の「背景」を映したい。動画が紡ぐ、これからの出逢い

最後に、秋元さんが見据えるこれからの展望を教えてください

今後の展望を伺うと、「まだまだ模索中なんです」と謙虚に笑いながらも、その視線はまっすぐに未来を見据えていました。

秋元さん:もっとたくさんの人に、身近に、楽しく動画を作れることを伝えていきたいです。特に、個人で活動している方や、日々子育てに奮闘している方にとって、動画は自分を表現する新しい、そしてすごく温かい手段になります。

さらに、ハンドメイド作家さんをはじめとする“ものづくり”の担い手たちと一緒に新しい表現を生み出すことに、今から胸を躍らせています。

秋元さん:作品そのものの美しさはもちろんですが、それが出来上がるまでの『制作過程』や『つくり手の台所』のような部分って、動画で見るとものすごく惹き込まれるし、愛着が湧くと思うんです。背景にある想いや費やされた時間まで伝わるような動画を、これからもっと一緒に作っていきたいですね。

完成されたモノの裏側にある、愛おしいプロセス。秋元さんのレンズを通せば、どんな日常も、輝くひとつの物語へと昇華されます。

編集後記

インタビューの間中、秋元さんの柔らかさに癒されつつも、その胸の奥にある「人を笑顔にしたい」というどこまでもブレない温かな芯に、すっかり魅了されてしまいました。 彼女の切り取る「空気感」は、言葉や写真だけでは届かない心の深いところに優しくタッチしてくれます。動画を通して、セッションを通して、彼女が生み出す温かな笑顔の輪が、これからさらに多くの人へ広がっていくのが楽しみでなりません。

この記事をつくった人たち

撮影

しおり

ライティング

まいまい

インタビュアー

ゆうこりん

この記事は「ヨコツナガリの会」所属メンバーで作成しました。
ヨコハマ、ヨコツナガリが運営する「ヨコツナガリの会」は、神奈川県で活動するクリエイターのリアルコミュニティです。
“クリエイターの力で、横浜をどんどこ盛り上げる!”をコンセプトに、横浜拠点クリエイターが繋がり様々なプロジェクトに挑戦をしています。

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